神戸学院大学 経営学部 林坂ゼミ

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コマンドプロンプト

Windowsのフォルダ構造とコマンドプロンプト

Windowsのフォルダ構造

コマンドプロンプトなどのコマンドラインインタフェースを利用する前に,Windowsのフォルダ構造について理解を深めておこう.下図のようにエクスプローラを開き,「ホーム」から「ドキュメント」を開きます.

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多くの場合,この「ドキュメント」フォルダ直下にファイル設置したり,サブフォルダを作成してその中にファイルを保存することでしょう.この「ドキュメント」フォルダが実際はどこにあるのかを理解しておくことが重要です.

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では,この「ドキュメント」フォルダを「PC」から順に辿っていきます.下図の通り,「PC」から「C」ドライブを開きます.なお,Windowsではドライブは「C」,「D」...のようにアルファベット1文字が割り当てられます.Windowsより以前のMS-DOSでは起動用のフロッピーディスクが「A」でした.

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「C」ドライブを開くと,様々なフォルダがあります.Windowsに関するファイルは「Windows」フォルダに格納されています.また,Word,ExcelなどのOfficeやGoogle Chromeなどのアプリケーションは「Program Files」フォルダに保存されています.下図のように選択されている「ユーザー」フォルダを開きます.

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「ユーザー」フォルダには,そのコンピュータに登録されているユーザごとのフォルダが存在します.

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ログイン中のユーザー名のフォルダを開くと次のように「ドキュメント」や「デスクトップ」「ダウンロード」などのフォルダがありました.

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ドキュメントフォルダを開くと上と同じ内容が表示されたはずです.ここで,下図のアドレスバーには「C」>「ユーザー」>「【ユーザー名】」>「ドキュメント」のように表示されていることに注意してください.日本語環境のWindowsでは日本語で「C」ドライブからの階層構造が表示されます.アドレスバーの右側の空白部分をマウスでクリックします.

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すると,下図のように「C:¥Users¥ユーザー名¥Documents」と表示されます.なお,日本語環境のWindowsでは円マーク(¥)が表示されますが,英語環境やWebページではバックスラッシュ (\) で表示されます.この Web サイトでも以降は \ で表示します.いずれにせよ,ホームに該当する場所が「C:\Users\ユーザ名」であり,その中に「Documents」や「Desktop」,「Downloads」フォルダが存在していることを十分に理解してください.その上で,それらのフォルダが日本語で表示されていることも併せて理解してください.

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PowerShellやコマンドプロンプトの起動

ここではコマンドプロンプトの起動方法について説明します.Windows 11では「ターミナル」アプリケーションを利用すると良いでしょう.Windows の検索ボックスに「terminal」と入力して,「ターミナル」を起動します.一方でまもなくサポートが終了する Windows 10 では「コマンド プロンプト」を起動します.

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特段の設定をしていなければ,「コマンドプロンプト」ではなくここで説明する「Windows PowerShell」が起動します.

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下図のように「v」アイコンをクリックして表示されるメニューから「コマンド プロンプト」を選択します.

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コマンドプロンプトが起動しました.

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Anaconda をインストールしていると「Anaconda PowerShell Prompt」や「Anaconda Prompt」も利用できます.これらは,Pythonの利用環境が整った PowerShell やコマンドプロンプトであると理解すると良いでしょう.

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さらに,Visual Studio Code の中でも PowerShell やコマンプロンプトを利用できます.「表示」メニューから「ターミナル」を選択するか,下図のように画面下側の青い線上にマウスポインタを移動し上方向にドラッグします.頻繁に利用するようであればショートカットも覚えておくと良いでしょう.

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Visual Studio Code 内で PowerShell を起動した状態です.

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「v」アイコンをクリックするとメニューが表示されるので「Command Prompt」を選択します.

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Visual Studio Code 内でコマンドプロンプトが起動しました.

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はじめの一歩

コマンドプロンプト (cmd.exe) は,Windowsに標準搭載されている文字ベースの操作環境です.ファイル操作やシステム管理などを,キーボードからコマンドを入力して実行できます.コマンドプロンプトはWindowsではGUIではできない細かな操作や自動化に役立ちますが,機能は比較的シンプルで,複雑な処理やスクリプトには向いていません.歴史的にはMS-DOSの流れを汲んでおり,現在でも基本的な管理作業に使われています.

コマンドプロンプトを利用してみましょう.まずは上の手順で起動します.

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起動すると次のような文字列が画面に表示されます.コマンドプロンプトにおける「プロンプト」とは,ユーザがコマンドを入力する準備ができていることを示す表示のことです.通常は,現在の作業のフォルダ(厳密にはカレントディレクトリ)を含む文字列が表示され,その後にカーソルが点滅して入力を待っています.下の例では「C:\Users\rinsaka>」という表示がプロンプトです.この表示は,ユーザに「ここにコマンドを入力してください」と促す役割を果たします.コマンドプロンプトという名称は,この「プロンプト」が常に表示され,ユーザとの対話の起点となることに由来しています.GUIとは異なり,CLIではこのプロンプトを通じてすべての操作が行われるため,基本的な理解が重要です.なお,CLIではフォルダのことをディレクトリと呼ぶので,以降ではディレクトリという用語を用います.このディレクトリという用語はフォルダを意味するものと理解しておいておおむね問題ありません.

Microsoft Windows [Version 10.0.26100.4652]
(c) Microsoft Corporation. All rights reserved.

C:\Users\rinsaka>

はじめに「help」と入力して改行キー () を押します.

C:\Users\rinsaka>help ⏎

すると,次のような画面が表示されますが,画面が一気にスクロールして流れてしまうでしょう.以降のページでは主にハイライトされたコマンドを利用します.

C:\Users\rinsaka>help ⏎
特定のコマンドの詳細情報は、"HELP コマンド名" を入力してください
ASSOC    ファイル拡張子の関連付けを表示または変更します。
ATTRIB   ファイルの属性を表示または変更します。
BREAK    拡張 CTRL+C チェックを設定または解除します。
BCDEDIT  ブート データベースのプロパティを設定して起動時の読み込みを制御します。
CACLS    ファイルのアクセス制御リスト (ACL) を表示または変更します。
CALL     バッチ プログラム中から、別のバッチ プログラムを呼び出します。
CD       現在のディレクトリを表示または変更します。
CHCP     有効なコード ページ番号を表示または設定します。
CHDIR    現在のディレクトリを表示または変更します。
CHKDSK   ディスクをチェックし、状態を表示します。
CHKNTFS  起動時のディスクのチェックを表示または変更します。
CLS      画面を消去します。
CMD      Windows コマンド インタープリターを新しく起動します。
COLOR    コンソールの文字と背景の既定の色を設定します。
COMP     2 個のファイルまたはファイルの集合の内容を比較します。
COMPACT  NTFS パーティション上のファイルの圧縮状態を表示または変更します。
CONVERT  FAT ボリュームを NTFS に変換します。現在のドライブは変換できません。
COPY     1 個以上のファイルを別の場所にコピーします。
DATE     日付を表示または変更します。
DEL      1 個以上のファイルを削除します。
DIR      ディレクトリ中のファイルやサブディレクトリの一覧を表示します。
DISKPART ディスク パーティションのプロパティを表示または構成します。
DOSKEY   コマンド ラインの編集、Windows コマンドの再呼び出し、マクロの
         作成をします。
DRIVERQUERY
         現在のデバイス ドライバーの状態とプロパティを表示します。
ECHO     メッセージの表示、コマンド エコーのオン、オフの指定をします。
ENDLOCAL バッチ ファイルで、環境変数のローカル化を終了します。
ERASE    1 個以上のファイルを削除します。
EXIT     CMD.EXE プログラム (コマンド インタープリター) を終了します。
FC       2 個のファイルまたはファイルの集合の内容を比較して、それらの違いを
         表示します。
FIND     ファイルの中からテキスト文字列を検索します。
FINDSTR  ファイルの中から文字列を検索します。
FOR      指定されたコマンドを、ファイルの集合の各ファイルに対して実行
         します。
FORMAT   Windows で使用するためのディスクをフォーマットします。
FSUTIL   ファイル システム プロパティを表示または構成します。
FTYPE    ファイル拡張子の関連付けで使われるファイル タイプを表示または変更
         します。
GOTO     バッチ プログラム中で、ラベルで定義されている行へ Windows コマンド
         インタープリターの実行を移します。
GPRESULT コンピューターまたはユーザーのグループ ポリシー情報を表示します。
HELP     Windows コマンドのヘルプ情報を表示します。
ICACLS   ファイルおよびディレクトリの ACL を表示、
         変更、バックアップまたは復元します。
IF       バッチ ファイル中で、条件処理を実行します。
LABEL    ディスクのボリューム ラベルを作成、変更、または削除します。
MD       ディレクトリを作成します。
MKDIR    ディレクトリを作成します。
MKLINK   シンボリック リンクおよびハード リンクを作成します。
MODE     システム デバイスを設定します。
MORE     出力を一度に 1 画面ずつ表示します。
MOVE     1 個以上のファイルをディレクトリから別のディレクトリに移動します。
OPENFILES
         リモート ユーザーによって開かれている共有ファイルを表示します。
PATH     実行可能ファイルの検索パスを表示または設定します。
PAUSE    バッチ ファイルの処理を一時停止し、メッセージを表示します。
POPD     現在のディレクトリを PUSHD で保存したディレクトリに戻します。
PRINT    テキスト ファイルを印刷します。
PROMPT   Windows コマンド プロンプトを変更します。
PUSHD    現在のディレクトリを保存して、変更します。
RD       ディレクトリを削除します。
RECOVER  不良または欠陥ディスクから読み出し可能な情報を復元します。
REM      バッチ ファイルや CONFIG.SYS の中で、コメント (注釈) を記録します。
REN      ファイルの名前を変更します。
RENAME   ファイルの名前を変更します。
REPLACE  ファイルを置き換えます。
RMDIR    ディレクトリを削除します。
ROBOCOPY ファイルやディレクトリ構造をコピーする詳細ユーティリティです。
SET      Windows 環境変数を表示、設定、または削除します。
SETLOCAL バッチ ファイルで、環境変数のローカル化を開始します。
SC       サービス (バックグラウンド プロセス) を表示または構成します。
SCHTASKS コンピューター上で実行されるコマンドとプログラムをスケジュールします。
SHIFT    バッチ ファイルで、置き換え可能パラメーターの位置をシフトします。
SHUTDOWN ローカルまたはリモートのコンピューターのシャットダウンを許可します。
SORT     入力を並べ替えます。
START    別のウィンドウを起動して、指定したプログラムまたはコマンドを実行
         します。
SUBST    パスをドライブ名で置き換えます。
SYSTEMINFO
         コンピューター特有のプロパティと構成を表示します。
TASKLIST サービスを含む現在実行されているすべてのタスクを表示します。
TASKKILL 実行されているプロセスまたはアプリケーションを削除または停止します。
TIME     システム時刻を表示または変更します。
TITLE    コマンド プロンプト ウィンドウのタイトルを設定します。
TREE     ドライブまたはパスのディレクトリ構造を図式表示します。
TYPE     テキスト ファイルの内容を表示します。
VER      Windows のバージョンを表示します。
VERIFY   ファイルがディスクへ正しく書き込まれたかを照合するかどうか
         Windows へ指定します。
VOL      ディスクのボリューム ラベルとシリアル番号を表示します。
XCOPY    ファイルやディレクトリ構造をコピーします。
WMIC     対話型コマンド シェルで WMI 情報を表示します。

ツールの詳細な情報については、オンライン ヘルプのコマンド ライン リファレンスを参照してください。

C:\Users\rinsaka>

dir」コマンドはディレクトリ中のファイルやサブディレクトリの一覧を表示するコマンドです.

C:\Users\rinsaka>dir ⏎
 ドライブ C のボリューム ラベルは OS です
 ボリューム シリアル番号は 9018-19A1 です

 C:\Users\rinsaka のディレクトリ

2025/06/25  10:16    <DIR>          .
2025/03/17  22:35    <DIR>          ..
2025/06/25  10:15    <DIR>          .anaconda
2025/06/25  10:55    <DIR>          .conda
2025/06/25  10:15               146 .condarc
2025/06/25  10:15    <DIR>          .continuum
2025/06/25  10:16    <DIR>          .ipython
2025/06/25  10:16    <DIR>          .jupyter
2025/05/16  11:49    <DIR>          .ms-ad
2025/05/16  12:26    <DIR>          .vscode
2025/06/25  10:16    <DIR>          anaconda3
2025/03/17  21:32    <DIR>          Contacts
2025/07/04  13:31    <DIR>          Desktop
2025/07/28  12:42    <DIR>          Documents
2025/07/28  17:19    <DIR>          Downloads
2025/03/17  21:32    <DIR>          Favorites
2025/03/17  21:32    <DIR>          Links
2025/03/17  21:32    <DIR>          Music
2025/05/12  14:24    <DIR>          OneDrive
2025/06/25  10:11    <DIR>          Pictures
2025/03/17  21:32    <DIR>          Saved Games
2025/03/17  21:34    <DIR>          Searches
2025/05/10  00:54    <DIR>          Videos
               1 個のファイル                 146 バイト
              22 個のディレクトリ  163,419,484,160 バイトの空き領域

C:\Users\rinsaka>

cls」コマンドは画面を消去するコマンドです.

C:\Users\rinsaka>cls ⏎

このようにコマンドプロンプトはキーボードからコマンドを入力して実行していくわけですが,過去に実行したコマンドを再度実行するには, を何度か押すと良いでしょう.

USBメモリなどの補助記憶装置を接続すると「C:」以外のアルファベットがその記憶装置に割り当てられます.たとえば「E:」が割り当てられている記憶装置に移動したのちに「C:」ドライブに戻ってみます.

C:\Users\rinsaka>E: ⏎

E:\>
E:\>C: ⏎

C:\Users\rinsaka>

ターミナルを終了するには「exit」コマンドを実行します.

C:\Users\rinsaka>exit ⏎

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