Python 言語はオブジェクト指向言語のひとつです.Python では数値や関数などすべてをオブジェクトとして扱います.整数型のオブジェクトやリストのオブジェクトなど様々なものが利用できます.独自のオブジェクト(カスタムオブジェクト)を作成することもできます.このカスタムオブジェクトでは属性(変数)とメソッド(関数)を定義してひとまとめで管理することができるようになります.
カスタムオブジェクトを作成するためには class キーワードを使ってクラスを定義します.このセクションでは,何らかの(システム開発などの)プロジェクトでの問題点 (issue) を管理する Issue クラスを作成します. 最も単純なクラスの定義は次のようになります.なお,pass は何も処理をしない時に必要な命令です.
class Issue:
#何らかの処理
pass
今定義した Issue クラスのインスタンス化を行い,属性に値を代入します.なお,インスタンス化とは Issue クラスの新しいインスタンスを生成することをいいます. issue1 という Issue クラスのインスタンスに,問題の件名を意味する subject 属性,問題の詳細を意味する description 属性,問題の重要度を意味する priority 属性,問題が解決したかどうかを意味する closed 属性を作成して値を代入してみます.このとき,クラスの属性にアクセスするためには .
を使います.
class Issue:
pass
# インスタンス化
issue1 = Issue()
# 属性を作成して値を代入する
issue1.subject = '件名です'
issue1.description = '問題の詳細です'
issue1.priority = 1
issue1.closed = False
# 属性をそれぞれ表示する
print('subject :', issue1.subject)
print('description :', issue1.description)
print('priority :',issue1.priority)
print('closed :', issue1.closed)
subject : 件名です description : 問題の詳細です priority : 1 closed : False